- かたい
- I
かたい【下腿】足の膝から足首までの部分。IIかたい【乞丐・乞食】〔「傍居(カタイ)」の意〕(1)こじき。 物もらい。(2)人をののしっていう語。 ばかもの。
「心なしの~とは, をのれがやうなる者をいふぞかし/宇治拾遺2」
(3)〔昔, 罹病(リビヨウ)者は放逐され放浪乞食をしたところから〕癩(ライ)病。 また, それにかかった人。 かったい。IIIかたい【化体】観念的な事柄を, 有形物によって具体的な感知できるものにすること。 特に, 有価証券法において, 権利を証券上に表すことを示す。IVかたい【堅い・固い・硬い】(1)物が力を加えられても, 容易に形や状態を変えない。 《固・硬》⇔ やわらかい「~・い鉛筆」「卵を~・くゆでる」(2)物と物, 人と人がしっかりと合わさっていて容易に離れない。 《堅・固》⇔ ゆるい「~・くひもを結ぶ」「~・い団結」「~・い握手」(3)心が動揺したり, 容易に変わったりしない。 《堅・固》「~・い決意」「~・く信ずる」「押し売り~・くおことわり」(4)自分の考えにこだわり, 融通がきかない。 頑固だ。 《固・硬》⇔ やわらかい「頭が~・い」(5)外見がこわばって柔らかみがない。 また, 緊張していてぎこちない。 《硬》「~・い表情」(6)内容がまじめ一方で, 面白みがない。 かたくるしい。 きまじめだ。 《固・硬》⇔ やわらかい「~・い一方の男」「~・い話」(7)することに, 浮ついたところがなく, 信用がおける。 (ア)てがたい。 堅実だ。「~・い商売」「~・く見積もっても一億円はもうかる」(イ)(「口がかたい」の形で)人に秘密をもらさない。 「口の~・い人」(ウ)間違いない。 確かだ。 「合格は~・い」「一万円は~・い」
(8)どんな小さなことでも誤りを許さない。 厳重だ。 きびしい。「~・く禁ずる」「守りの~・い城」
(9)(「目がかたい」の形で)眠気がこない。 眠たがらない。「おとなし様に, おめが~・い/浄瑠璃・栬狩」
(10)取引で, 相場がなかなか下がらない。 「値が~・い」「底が~・い」{(7)}~{(10)}《堅・固》(11)写真で, 画像の明暗の対照がはっきりしている。 硬調である。 《硬》﹛派生﹜~げ(形動)~さ(名)堅き氷は霜を履(フ)むより至る〔「易経(坤卦)」による。 秋になって霜を踏むようになればやがて堅い氷の張る冬が来るの意〕(1)事の前兆が現れたらすぐにそれに備えよというたとえ。(2)小さな災いが原因で, 大きな災いが起きることがあるというたとえ。Vかたい【歌体】和歌の形態。 短歌・長歌・旋頭歌(セドウカ)など。VIかたい【科怠】とがめるべき怠慢。 怠慢ゆえの過失。VIIかたい【花袋】⇒ 田山花袋VIIIかたい【過怠】(1)あやまち。 てぬかり。「大した~もなく勤めを終える」
(2)中世, 過失や罪を犯した者に対して金銭や労役によって償わせた武家法上の刑罰。(3)あやまちの償いにする物事。IX「馬場を渡らずは, 百文の~なり/申楽談儀」
かたい【銙帯】革帯(カクタイ)の一種。 表面に銙と呼ぶ, 金・銀または玉石などの飾りを据え付けた。Xかたい【難い】〔「堅(カタ)い」と同源〕(1)なかなかできない。 むずかしい。 困難だ。「守るに易く攻めるに~・い」「言うはやすく行うは~・し」
(2)ほとんど存在しない。 めったにない。 めずらしい。「女の, これはしもと, 難つくまじきは, ~・くもあるかな/源氏(帚木)」
→ がたい(接尾)難くない(「…にかたくない」の形で)…することがむずかしくない。 …することがたやすい。「想像に~ない」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.